心筋梗塞とのことで、自宅から救急車で昨夜都内の病院に運ばれたのですが駄目だったとのことです。
急な寒さもあったのでしょうが、このところ我々の業界も不況のあおりで銀行対策や2代目の常務の息子さんとの経営方針の違いから、苦悩されているのが周囲からもわかり心痛が重なったのでは、と社内ではもっぱらのうわさです。
ここ数年、広告・販促関係の業界ではインターネット関連の広告・販促が伸びている中、創業者の社長はやはり自分がやってきた成功体験が捨てきれず、息子の常務が進めようとするインターネットでの新しい広告・販促システムの開発や人材育成などにあまり熱心ではなく、どちらかというと反対していたのです。
ところが息子の常務はアメリカ留学もしており、10年ぐらい前からインターネットの可能性に気づいており、できるだけ早く旧メディアから脱却しインターネットを中心とした業態転換すべきだとしていたのです。
すでに大手の広告会社やベンチャー企業が参入し、最近ではついに新聞広告を抜いて、テレビ広告に追いつきつつあり、もうあと数年でテレビも抜くだろうといわれており、その点では息子の常務のほうが正しいことは明らかでした。
ただ社長とすれば、これまでお世話になってきた新聞やテレビ業界をないがしろにして行こうとする常務の姿勢に不安を抱えていたのも事実なんだと思います。
そのため、社内はどちらかというと年配の部長職や役員は社長派、課長職や若手は常務派に分かれている状態でしたが、私はどちらかというと常務派でした。というのもこれからは一般生活者、消費者はこれまでの新聞やテレビメディアなどからの一方的な情報の受け手でいるのではなく、自分でスマホやパソコンで調べたり情報を発信したりしていくだろうと思っていたからです。
もちろんテレビや新聞が全くなくなるとは考えていませんが、やはり、いつでも、どこでも情報のやり取りができるネット社会の利便性に気づいてしまった人たちのデジタル機器利用の趨勢は、ますます当たり前になって来ており、私たちの業界の人は60歳代の人たちも当たり前にネットを利用しています。
ただ、うちの会社は50歳台前半の人までは普通に使えるのですが、それ以上の部長や役員クラスはメールができる程度がほとんどの状態です。私もそれほどデジタルツールに精通している訳ではないのですが、プランニング畑の責任者であるため同世代の人よりは、ネット社会のすごさを実感しているのだと思います。
どちらにしても会社の方針がこれでまったく変わるだろうと思ってます。
私としてはこれまでいろいろと教えを受け、お世話になった社長に感謝しお送りしたいと思っていますが、おそらくお葬式後は色々大変な日々が待っていそうです。

