中心部の公園に雨傘をさした男性のブロンズ像があったので、雨の多い所なのかなあ、とか有名俳優さんの映画のワンシーンなのかなとか、それとももっと哲学的な意味があるのかなど、テレビを見ながら考えていましたら、まったく違っていました。
ネットで調べたら、 雨のよく降るオレゴン州を象徴した『Umbrella Man』として知られる銅像とありましたが、
「ポートランド人っぽくない人の像よ。この街では雨が降っても傘を差す人はいないし、スーツ姿の人もほとんどいない」と公園のベンチに腰掛けていた女性がインタビューで応えていました。
今アメリカで一番人気のある都市らしいです。
確かにとても静かで、のんびりした空気感が漂っていました。緑も多く暮らしやすそうで、自転車のレンタルサービスが至る所にあり、あまりアメリカらしくない町のような印象です
おかしかったのが、一風変わった、車輪がついた屋台のようなものが登場したのです。
車輪がついた向かい合わせで片側5人総勢10人ぐらいが座れ、座席のそれぞれの足元にペダルがある乗り物で、酒屋をめぐるツアーに使用する人力の乗り物だと。
進行方向にはハンドルがあり、ツアーの人がハンドルを操作するようで、酔っ払い運転にはならないし、人力なのでエコにも良いとのことでした。
乗客らはペダルをこぐので酔いの回りも早いのか、皆愉快そうにいい加減の酔いに身を任せているようでした。
また、女性のシェフが運営する農園&野外レストランは新鮮な野菜をその場で調理して提供するスタイルで、農園のそばでお客さんたちがワイワイガヤガヤ美味しそうに食べていました。
どうもこの地域の良さはテレビで見る限りですが、町つくりが暮らす人中心の工夫がされていて、時間の流れがとてもゆっくりしているように感じました。
最後にコインランドリーを新ビジネスとして事業化している女性のお店を紹介していました。コインランドリーと併設して待ち時間に飲食や本などを読んだりしてゆったりできるスペースが用意され、利用者が思い思いに洗濯の終わるのを静かに待っている様子が、何かこの町の良さを象徴しているようで印象的でした。
そういえば散髪屋さんもユニークで、髪やひげを当たってもらう間、タダでお酒がふるまわれ、客と店のスタッフがとても親しそうで、こんな散髪屋さんがあったら日本でもはやるだろうな、と感じました。
ただ、ふと疑問に思ったのが、
彼らのビジネスでどれだけ儲かるのだろう?
暮らしていけるのだろうか?と。
私の感覚では、あまり儲けるために色々工夫したり、張り切ったりしているように見えないのです。
多分儲けるのが主でなく、その地域でずうっと暮らしていくのに必要な範囲で仕事をする、儲けすぎないビジネスなんじゃないかと思った次第です。
改めてあの雨傘をさしたブロンズ像を思い出しましたが、やはり公園の女性の解説が正しいなあ、この町はと思い、この番組を見て、ふと日本でもこれからの地域でのビジネスのあり方の参考になるように感じました。
儲けすぎないビジネス。
これはこれからの時代のキーワードの一つになるのではないでしょうか。

