ラグビーW杯ブレイブ・ジャパンの快進撃は決勝リーグ、ベスト8で今回は終わりました。
このひと月間、毎週末の彼らの大活躍に興奮し酔いしれました。
身も心も限界まで戦ってくれて、選手の皆さん本当にお疲れさまでした。
ありがとう!
海外含め多くの人たちが南アフリカとの準々決勝を見たと思います。
特に日本人はNHKが7時のニュースに続いてこの試合を放送したので、関心のなかった人たちも見たかもしれません。
視聴率は40%以上だったそうです。
最近のテレビ離れの中、20%以上あればものすごいといわれる中、まことに驚異的な数字です。先日のスコットランド戦は最高視聴率が52%強という信じられないほどの視聴率でした。
前半は5対3という僅差で何とか食らいついていた日本でしたが、これまでの試合の展開とは違い、相当厳しい戦いになるなあ、と感じてしまいました。
毎週末連続でなんと5回目の試合でした。
決勝リーグは2週間ほど時間を空ける必要があったのでは、と感じます。
対戦相手の南アフリカは2週間あったようです。
とにかく日本代表の疲れは最初から見て取れましたから、残念です。
後半は雪崩を切ったような南アフリカの厳しいそしてパワフルな攻撃に、日本側はいつ崩れてもおかしくない状況になってしまいましたね。
いつもの鋭いパスワークや両ウイングの松島、福岡選手のランを見ることができませんでした。
前回のW杯で世紀の番狂わせと称賛された南アフリカへの勝利が頭にあり、また世界第2位(直前まで1位)のアイルランドや強豪のスコットランドを破って4戦全勝で決勝リーグに進出していましたから、このままいけるのではないかとどこか期待していたのですが負けてしまいました。
シロートの私から見て、完敗だったと思います。俗にいう力負けというのでしょうね。
しかし、前半に福岡選手が抜け出し、もう少しでトライというシーンがありました。残念ながらタックルで倒されてしまいましたが、ちょっと後ろに松島選手が走っていたので、いつものパスを出し、つながっていれば、1トライで試合の流れが変わったように思えます。
後半になると日本の主力選手たちがどんどん交代していき、かなり疲弊しているのがわかりました、一方南アフリカはミスも多かったのですが、途中からなり振りかまわず、キックで得点を重ねることで勢いを増してきました。特に2mを超えるフォワードの背の高さでラインアウトを制し、その後のモールで押し込む形で圧倒しました。
言いたくありませんが昨日の試合はパワー、体格の違いが決定的でした。
試合のあと、これでもう日本代表の胸のすくようなラグビーが見られなくなるのかと思うと残念というよりも喪失感のほうが大きく、ボーとテレビを眺めていました。しかしきっと次のW杯には、また創造性を発揮し体格差を克服してさらに魅力をアップしたジャパンラグビーを見せてくれると思います。
前回のW杯では世界のラグビーファンには惜しまれながら、勝ち点の差で3勝1敗ながら決勝リーグに進出できなかったのに比べ、今回は地元日本開催のプレッシャーの中、予選は4勝全勝と見事Aグループ1位で決勝リーグに進出、サッカーより一足先に世界の表舞台に躍り出ました。
今更ながら4年間の彼らの想像を絶する練習と努力を考えますと、まことに見事というほかありません。
競争には勝ち負けがつきものです。
しかし勝てばいいという姿勢だけでは見るものに感動を与えることは絶対にありません。
私たち日本人だけでなく世界中の人たちが感動したのは、彼らブレイブ・ジャパンの選手たちが見せたスキルはもちろんですが、彼らの示した誇りや勇気に裏付けされた気高いスポーツマンシップがあったからだと思います。
そこには見る者すべての心を打つ美さ、そう美学がありました。
きっと今回のブレイブ・ジャパンの試合を見た子供たちは、ラグビーの面白さや選手へのあこがれを抱きラグビーを目指す子が沢山出てくると思います。
そして大人にも、忘れていた何かに打ち込む情熱や相手への敬意、そしてルールに則ったフェア精神の大切さを思い出させてくれたと思います
まさに今の日本が失いつつある大事な価値観を思い出させてくれる、何物にも代えがたい教訓、ギフトを与えてくれました。
大活躍した金太郎のような怪力男、No8の姫野選手もさすがに南アフリカ戦では3人がかりで止められてしまいました。
しかし、スポーツ紙の記事だったと思うのですが、恩師の教えを胸に次回はもっと強くなると頼もしいことを言っていました。
「心が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる」
-哲学者ウィリアム・ジェームズの言葉-

